Rauber Kopsch Band2. 414   

このことは中心前回にあって巨大錐体細胞型と一致する運動性中枢の場合,中心後回にある知覚性中枢の場合,言語中枢Sprachzentrumであるブローカ領Brocasches Feldの場合,言語理解の中枢Zentrumdes Sprachverständnissesであるウェルニッケ領Wernickesche Stelleの場合にあてはまる.また視覚領Sehsphäireは解剖学的によく境がつくところの鳥距型と一致し,その範囲は有線領Area striataとも呼ばれる.

[図478]大脳皮質の細胞の形 (クローム銀染色) (Cajalによる)

 1切線線維層;2 カハール細胞Cajalsche Zelle;3 小錐体細胞,その神経突起(n)を切線線維層に送っている;4 小錐体細胞,その神経突起(n)を脳の内方部に送っている;5 大錐体細胞とその尖端突起,側方と中央の底突起Basalfortsatz;底突起は髄質に達し,また側枝を出している;6, 6 遠くにある細胞の神経突起が枝分れしている;7,8 多形細胞;7は神経突起を脳の表面に向かって送る,8は多数の枝に分れた神経突起をもつ軸分枝細胞;9 白質.

[図479]中心前域と中心後域の細胞層 成人. ×20(Brodmannによる)矢印はその境を示し,同時に中心溝の底を指している.

 解剖学的構造とその機能とがかくも目立った一致を示すことから,解剖学的に境されたその他の皮質領に,もおそらく一定した別々の機能があるものど考えてよかろう.

 隣接するいくつかの領域は若干の共通した特徴を示しており,それゆえこれらの部分をまとめて主領域Regiones, Hamptregionenということができる.

Brodmannはそのような11の主領野を区別し,その或るものではその中にさらに亜領域Unterregionenを区別している.そのうちのいくつかについてだけとこで述べる.

 中心前域Regio praegentralis.これは中心前回,中心傍小葉の前方2/3およびこれに近接する上前頭回と中前頭回の部分どをふくむ.ここでは内顆粒層(図479)が退化していて,いわゆるベッツ巨大錐体細胞Betzsche Riesenpyramidenzellen(図479, 480)がみられる.そのためこの性質の層形成を巨大錐体細胞型Riesenpyramidentypusという.

 中心後域Regio postcentralisは中心後回に一致するもので,これは中心前域とは反対にはっきりと境された内顆粒層を有っていて,巨大錐体細胞は全く存在しない.

 後頭域Regio occipitalisは後頭葉の全体を含み,これと隣接する諸領域との境がはっきりしない.ここでは概して非常によく発達した6層形成(図481)がある.ただ例外として,視覚皮質Sehrindeであるところの有線領Area striataは8層を示しており,その層形成の様子は鳥距型Calcarinatypusと呼ばれる.層数の増加は内顆粒層が3分することによって生ずるのである(図483).

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最終更新日12/04/13

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