Rauber Kopsch Band2. 337   

3. 索状体Corpus restiforme, Strickkörper,すなわち髄小脳脚Crus medullocerebellareは内側から出る結合腕と外側から出る橋腕とのあいだにあり,後下方に走り,直角に曲がって小脳の髄質を出る.その曲るところでは結合腕と交叉している(図415).左右の索状体は下方に向かってたがいに近づき,延髄の中央の高さで次第になくなる.

e)小脳の灰白質核(図413)

1. 歯状核Nucleus dentatus, Kleinhirnoliveは各小脳半球の髄体の内側前方の部分にあり,やや長めで圧平された円形の構造物であって,その表面が波形に曲り,内側は開いている.ここが歯状核門Hilus nuclei dentatiである.

 歯状核をなしている灰白質の板の厚さは0.6mmである.その最長径は斜めに前方に傾いて,その前端が鈎形に曲がっている.またその下内側面は室頂核のすぐ近くにある.この核のすぐまわりを包む髄質,すなわち羊皮部Vliesregionはその一部が同心性に重なった弓状の線維層としてばらばらに分けることができる.これに対して歯状核に取り囲まれる髄質の部分は髄質核Markkernをなしている.

[図415]小脳脚および脳幹内の若干の伝導路を線維束分離法によって示してある(Büttner, Z. Anat. Entw.1927による).

2. 室頂核Nucleus fastigii, Dachkernは第四脳室蓋のなかにあり,脳室上皮の上方でこれに近く小脳の髄体のなかにある.

 これは平たい楕円体に似た形をしていて,正中面の近くにまで達しており,白質のなかに半透明で黄色を帯びた条として見える.その長さは9~10mm,幅は5~6mm,厚さは3mmである.その後端はいくつかの尖頭となって終わっているのが普通である.

3. 栓状核Nucleus emboliformis, pfropfkernは歯状核のすぐ内側にあり,歯状核の上内側端と細い線条部によってつながっている.

 その底は前方に,その尖端は後方に向いている.栓状核の長さは13~18mm,その最も厚いところは3~4mmある.

4. 球状核Nuclei globiformes, Kugelkerneは室頂核の外側面に接していて,また栓状核の内側下がわに接して存在する.

 その長さは12~14mm,最大幅はおよそ4mm,最も厚いところは約6mmある.

S.337   

最終更新日12/04/13

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