そのほか脳硬膜の細い動脈に伴って細い静脈が走っており,これらは多くは近くの静脈洞に開口する.
脳の静脈は一部は脳の表面を,一部はその深部をとおるので,浅層と深層の脳静脈が区別される.
[図684] 第四脳室脈絡組織と側脳室脈絡叢の静脈 脳梁幹と脳梁膨大とは取り除いてある.脳弓柱は室間孔のところで切断し,脳弓体・脳弓脚・大脳の後頭葉は取り除いてある.
右では脈絡叢の前方部は取り除いてある.静脈には青い色素を注入してある.
動脈の主な分布が脳底から始まるのに反して,静脈は脳の周囲全体にわたってかなり太い幹に集まり,最後にその大部分が頭蓋円蓋を横走および縦走する通路にはいってゆく.
これを次のように分ける.
α. 上大脳静脈Vv. cerebrales superiores.これは脳の上面を走り,部分的にだけ溝のなかにはいっていて,大部分は半球間裂を指してゆく.そこではこの裂け目を境としている大脳内側面の静脈と合して,上矢状静脈洞にすすみ,これに斜めの方向をとって開口している.
β. 中大脳静脈V. cerebralis media.これは外側大脳裂のなかにあり,海綿静脈洞か蝶頭頂静脈洞に入るが,まれに上錐体静脈洞に開口している.
γ. 下大脳静脈Vv. cerebrales inferiores.脳の下面と側面の下部から来て,横静脈洞・上錐体静脈洞・海綿静脈洞に入る.
δ. 上小脳静脈Vv. cerebellares superiores.小脳上面から発し,大部分は内側に走り,虫部の上面を越えて直静脈洞にいたる.そのほかの部分は内大脳静脈にゆく.
最終更新日12/04/13
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