神経支配:顔面神経による.
作用:下唇を外側に引く.
変異:Le DoubleとMacalisterはこの筋が個個の筋束に分れているのをみた.この筋はしばしば広頚筋とひとつづきになっている.
この筋はその大部分が下唇方形筋に被われていて,下顎の外側切歯の歯槽突起から起り,線維が集中しつつ下方に走り,オトガイの皮膚に達する.両側の願筋はたがいに結合している.
神経支配:顔面神経による.
作用:この筋は願の皮膚を引きあげる.オトガイに見られる小さいくぼみはこの筋が皮膚に停止するところに相当する.
変異:この筋の大いさは非常に変化に富み,まれに2つの筋束に分れている.
広頚筋は頚部からひとつづきの筋板として,下顎のへりを越えて,いろいろな広さに延びており,耳下腺咬筋膜のおもてにあって,また笑筋,三角筋および下唇方形筋と合している.まれに1筋束が下眼瞼の中にはいる.
次に述べる諸筋が全体として耳介を動かすちのである.
この筋は側頭筋膜の上にあって,いろいろ違った広がりをなし,後方に向って幅が狭くなり耳介軟骨の耳輪棘Spina helicisに達する.
神経支配:顔面神経による.
作用:耳介を前方に引く.
変異:他の耳介筋よりも欠如することが多い.かなりしばしば少数の筋束に分れている.MacalisterおよびLe Doubleによれば,この筋は多くの場合全く耳に達していないものであり,あるいは非常に薄い結合組織の板を介してのみ耳に達しているというのである.
神経支配:顔面神経による.
作用:耳介を上方に引く.
変異:この筋は欠如することがある.少数の筋束に分離していることはLe Doubleによって見られた.
この筋は黒人で特によく発達しているといわれる.他の耳介筋および項横筋との結合がある.
この筋は多くの場合いくつかの短いが力づまい筋束よりできている.その筋束は側頭骨の錐体乳突部から起り,水平に前方へと走って耳介軟骨に固着するのである.
神経支配:顔面神経の後耳介神経による.
作用:耳介を後方に引く.
変異:この筋が欠けていることはまれである.項横筋,後頭筋,広頚筋と続いていることもある.
まれに見られる変異としてLe Doubleの門下の一研究者によって記載されたM. auricularis inferior(下耳介筋)がある.この筋は耳下腺咬筋膜の上にあって,耳甲介に付着している.かつて私は力づよく発達した女の死体でこの篩を両側で見たことがある.
顔面の表情筋の作用には大きい個体差がある.それは次のような物質的な基礎にもとついているにちがいない.すなわち筋の大いさおよび練習によってえられた能力によるといえるが,そればかりでなく,筋の停止,他の筋との続きぐあいなどによっても制約されるにちがいない.それゆえ人の顔面筋の配列の細かさにおいて,個々の人種のあいだに違いがあることの可能性がある.H. Virchow, Arch. Anat. Phys.1908. Z. Ethnologie 1910.-H. v. Eggeling, in L. Schulze, Forschungsreise Bd. III. Jena 1909.--Bluntschli, Morph. Jahrb., Bd. 40,1909.--Loth, E, Anthropologie des parties molles.
最終更新日12/04/13
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